The Rolex Bubbleback

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The Rolex Bubbleback

Rolexをして最高峰の実用時計たらしめる2つの特徴である、完全防水のオイスターケース、そして自動巻き機構を持つ“パーペチュアル”ムーブメント。これらを同時に採用した初めてのモデルが今回ご紹介するBubblebackです。

しかしこのBubblebackは、ヴィンテージロレックスの中でまず間違いなくもっとも難しいジャンルでもあります。ケース・針・文字盤など、驚くほどに多様なデザインバリエーションを持つ一方で、その多様さゆえにオリジナルの組み合わせのままの個体はごく一部に限られます。またホールマークの位置でさえも時代やサプライヤーによってルールがあるほど非常に複雑で、一見するだけでは問題のないように見えてしまう個体も多く、整合性を判断するには長年にわたる経験と知識が不可欠です。

さらに悪意のある文字盤のリダンや、オリジナルのパーツが失われていることもしばしば。しかし物によっては100年近く前の個体なこともあり、後からパーツだけ探すこともほぼ不可能です。だからこそ本当に信頼のできる仕入れルートや、業界に長くいるディーラーとのコネクションなくしては、取り扱うことさえもままなりません。

古いだけあってメンテナンスも難しく、中にはムーブメントがぐずぐずのものも少なくなく、その場合はムーブメントを丸ごと入れ替えるしかないことも。AFTERで扱うものは全てオーバーホールを済ませ、当時のものとしては十分な精度が出る個体のみです。

今回の3本は全てゴールドケースです。32mmのケースサイズとBubblebackならではの厚み、そして100年近い経年による独特の表情によって、ゴールドのケレン味は良い意味でほとんどなく、むしろ抑制の効いたプレシャスさや時の洗礼に耐える本質的な価値のようなものが滲み出すように感じられます。

Bubblebackが生産されたのは1933年から1950年代半ばのおよそ20年ですが、この間に生み出されたデザインのバリエーションは非常に多岐にわたります。オリジナリティさえ担保されているのであれば、逆にこれほど選ぶのが楽しいジャンルも珍しいのではとも感じられるのではとも思います。

Bubblebackの中でも比較的初期のこの一本は、飛びアラビアのシャンパンダイヤルにブルースチールの端正な顔つきで、合わせるストラップ次第で全く違った印象です。

ROLEXの印字が見る角度によってホワイトアウトする、ゴーストダイヤルも。テーパーしたベゼルとアプライドのインデックス、さらにアルファ・ハンド、これらはいずれも比較的後期のBubblebackの特徴です。

K14PGケースのこちらには、同時代・同素材のアメリカ製のエクステンションブレスレットがセットされています。ケース・針・文字盤の整合性には最大限にシビアになる一方で、ブレスレットの組み合わせにはこのような柔軟さが許容されるのもBubblebackの面白いところ。

大仰ではなくしかし確かな贅沢が感じられるような、誰よりも身につける人自身がその高揚感を一番に感じられる、この時代ならではのブレスレット。このブレスレットだけを買いたいという問い合わせも多い、希少な一本です。

32mmというコンパクトなケースサイズと、名前通りの膨らんだケースバックの厚みによって、腕馴染みの良さとスタイル全体への馴染みの良さ、そして意外なほどの高揚感があるのがBubblebackです。1980年代のブームの際には誰もが探し求めていたジャンルであるという事実を知らない、より柔軟な感覚でファッションとして時計を手に取る今の時代のコレクターにこそ魅力的に映るのではないでしょうか。