











先日のJournalでご紹介したように現在のEYEVAN 7285やOliver Peoplesには、1972年に「着る眼鏡」としてスタートしたEYEVANから連綿と続く系譜がありました。そのEYEVANが1980年代に入って手掛けていたハイエンドコレクションに、EYEVAN CRAFTがあります。
ヴィンテージの眼鏡はもちろん、古い道具や建造物、自然や絵画などあらゆるデザインソースをもとに、もっとも理想的な技術と生産背景を用いて生み出されるEYEVAN 7285。その直接的なルーツとも言えるのがこのEYEVAN CRAFTです。

当時のペーパーもそのまま残るこちらはロンドンの老舗Algha Worksが手がけたもの。当時のEYEVANではカントリークラブというクラシックラインを展開しており、その展示会を通じて関係が始まったと聞いています。こだわり抜いたハイエンドラインを始めるにあたって、海外生産を選んだことで生まれた一本です。

革巻きはその難易度の高さから歩留まりが悪く、それがデッドストックで出てきたことには当時のEYEVANの担当の方も非常に驚いていました。当時セルフレームが一万円台であった中で、革巻きは二万円台とより手の込んだモデルであったそうです。

続いては金張りの2本。こちらはフランス製で先ほどの一本とはまた異なった生産背景を持ちます。EYEVANを手がけていた山本光学は、当時スポルディングのブランドでスポーツサングラスを生産していました。それらを海外に輸出していたつながりで、フランスのメーカーに生産を委託することになったといいます。
オーバルフレームのテンプルには“FRAME FRANCE” “12KGF”の刻印がされています。一般的なメッキとは異なり、より厚みのあるゴールドの層を圧着しているため、通常の使用で剥がれが起こることはまずありません。玉型ひとつを見ても、現在のEYEVAN 7285に通ずる今っぽさが感じられる一本です。

もう一本は、まるで映画でしか見ないようなクラシックな老眼鏡です。ブリッジのバネが伸縮することで鼻筋に挟んで使用するタイプで、鼻パッドにあしらわれたコルク素材がヨーロッパらしさを感じさせます。その部分だけを見ても非常に凝ったチェーンの先には当時のタグ、そこに書かれた“SAY SOMETHING WITH YOUR EYES”からは、当時のアイウェアシーンにおけるEYEVANのスタンスのシャープさがうかがえます。
現在でも通じるモダンなデザインとつくりの良さがうかがえるヴィンテージのEYEVAN。先日の2本と同様に、現行のEYEVAN 7285と合わせてFRAME FRANCEなどのヴィンテージも扱う当店としても嬉しい入荷です。眼鏡の歴史の貴重な1ピースとして、手に取っていただければ幸いです。
