PATEK PHILLIPE

Classics from Patek Philippe
Ref.3919 / Ref. 3748

ASK

Patek Philippeの定番のドレスモデルとして知られる、カラトラバとゴールデン・エリプス。カラトラバが発表されたのは1932年、世界恐慌後の緊縮的な時代の空気を反映し、控えめでシンプルなデザインで登場しました。バウハウスの影響も明らかなその洗練されたデザインは、現在にいたるまで最高峰の正統派ドレスウォッチとしてコレクターの憧れを集め続けています。

その後1968年に発表されたゴールデン・エリプスは、ラウンドでもレクタンギュラーでもない非常に斬新なケースを持つモデルです。1:1.618の黄金比に基づいて設計されたケースは、モダンデザインと数学的美意識の融合した完璧なプロポーション。文字盤にはほとんど装飾的な要素がないにも関わらず一目でそれと分かる、他にない佇まいです。

今回ジャーナルでご紹介するのは、そんな2本の中でもさらに特別なブレスレットを持つモデルです。カラトラバとゴールデン・エリプスのいずれも、その多くはレザーストラップ仕様でした。しかしその中の一部に、最も贅沢なバリエーションとして、ケースと同素材のブレスレットを持つものが存在しています。

(上)息をのむほどの圧倒的な存在感のブレスレット。
(下)当時のパンフレットからは、モデルごとに実に様々なバリエーションが存在していたことが分かります。

今回の2本とも、なによりの魅力はそのブレスレットです。見た目のすごみと圧倒的な存在感はもちろんのこと、繊細に作り込まれたブレスレットは肌に吸い付くように柔軟に曲がるため、レザーストラップに勝るとも劣らない着用感があります。

いずれのモデルでも、ラグは用いずにブレスレットを直接ケースにつなぐという手法が用いられています。一見すると大胆すぎるようにも思えるデザインですが、それによって時計とブレスレットがより一体感のあるひとつのジュエリーのような存在に昇華されているのもまた事実ではないでしょうか。

さらに、製作に非常に手間のかかることが容易に想像できるこれらのブレスレットには、今回ご紹介している他にもいくつかのバリエーションが存在したことが知られています。手間のかかる仕様においてこそ豊富なバリエーションを展開する姿勢は、一流の顧客を抱える一流のブランドでこそ。Rolexのような実用時計のブランドではまず考えられない贅を尽くしたアプローチです。

(下)バックルの機能性も高く、ダブルロックのために着用中に外れてしまう心配がないほか、またサイズも細かく3段階で調整することができる仕組みです。

ファッションの世界において、貴金属製でボリュームのあるアクセサリーがもはやスタンダードとなっているように、時計の世界においても今そのようなものが求められても良いのではないでしょうか。

実際に、再び流行の兆しを見せているRolexのバブルバックや、あるいはCartierのタンクにおいてもそうであるように、ヴィンテージの時計にオリジナリティと装飾性の高いブレスレットを組み合わせる需要は増す一方です。

一流のブランドの定番中の定番モデルと、一切の制約を設けずに徹底的な理想主義のもと製作されたブレスレットの組み合わせには、販売された当時どのような人物が身に着けていたのかという想像を豊かにさせられずにはいられません。

全てが一流で全くの妥協のない時計は、もはや時計という枠を超え、身に着けるものとしてもこれ以上ない満足感を得られると言って間違いありません。ぜひ店頭でご覧いただき、この圧倒的なすごみを感じてください。

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