Interview

Opening Interview 01

— AFTERを始めるまでの経歴について教えてください。

29歳で入社してから、これまでずっとEYEVANに在籍していました。EYEVANに入社するまでも眼鏡屋さんで働いてはいたのですが、そこでオリバーピープルズのバイイングをしていた縁もあって、EYEVANに声をかけてもらい現在にいたります。

ここ数年はEYEVAN 7285 TOKYOの店長をしながら、同時に表参道地区の統括をしていました

— 独立のきっかけを聞かせてください。

EYEVANはここ数年、おかげさまで若いお客様や外国人観光客のお客様にも来ていただけるようになりました。そのように、ブランドや店舗が次のステージに入ったように感じていたこともきっかけのひとつです。

これまで自分のお客様には、誰から買うのかに納得してご購入いただけるようなご提案を大事に接客をしてきました。しかし今のEYEVANは、必ずしもその点に注力しなくても選んでいただけるブランド・店舗に成長しています。

— AFTERをどのようなお店にしたいと考えていますか。

誰から買うのかに本当に納得してご購入いただけるように、自分の接客があってこそ可能な、よりこだわりのある方に向けたさらに細かいご提案をできればと考えています。

僕も業界歴が20年近くなり、技術的にも熟練してきた頃だと思っています。やはり眼鏡は顔にかけるものなので、きちんとした視力測定とフィッティングが大事になるのは言うまでもありません。

測定からフィッティングまで、別にやろうと思えば一年目でもできないことはありませんが、それでお客様に本当に満足していただけるかは、また別の問題ですよね。そういった点もご安心いただけるようなお店にしていこうと思っています。

— AFTERで取り扱う眼鏡と、その理由について。

EYEVAN 7285と10 eyevanは引き続き取り扱いながら、さらに自分の大好きなヴィンテージの眼鏡と時計も提案していこうと思っています。

僕は一番かっこいい眼鏡はヴィンテージだと思っています。実際のところ、眼鏡のデザインはヴィンテージで既に出きっていると思っていて、そこからさらにオリジナリティを出すのはすごく難しいことなんです。

そういったほとんど完成しきったデザインを前に進めようとすると、細かいパーツの徹底的な見直しなどが必要になるのですが、これには非常なコストがかかります。でもそれをやっているのがEYEVAN 7285と10 eyevanなんですね。

そういう意味で、今作られている眼鏡の中で唯一ヴィンテージを超える可能性があるのがこの2つのブランドだと思います

— その他のブランドは取り扱わない?

はい。自分でお店をやる以上は何だって取り扱えるんですが、売れそうだとかぱっと見がかっこいいからといって取り扱うのは違うと思い、当初いくつか検討した商品やブランドはありましたが、全部やめにしました。

やはり本当に好きなものでないと心からのご提案ができない、そういう意味でピンとこなかったですね。

— EYEVAN 7285はどんなブランドですか。

EYEVAN 7285の最大の特徴は、細かいパーツにいたるまで全ての型を一つずつ作っていることです。眼鏡のパーツの型というのは非常に高価なので、一般的に眼鏡業界では、コストを削減するため全く別の眼鏡に同じパーツが使われているというのはよくある話です。

でもEYEVAN 7285では、全てのモデルのそれぞれのパーツごとに全く違う型を作っています。やはり、そのように全てのパーツをオリジナルでデザインした眼鏡の方が、既にあるパーツを組み合わせた眼鏡よりかっこいいのは当然ですよね

770(46) 51,700円 (EYEVAN 7285)

そのようにしてできあがった眼鏡は、もちろんひとつひとつのパーツのこだわりを説明することもできるのですが、なによりもぱっと見の雰囲気、佇まいのようなものが他とは全然違います。

これはぜひ一度、実際に目にして手に取って感じてほしい部分です。

— 10 eyavanはどんなブランドですか。

10 eyevanには”美しい道具”というテーマがあります。美しい道具は美しいパーツの集合であるという考えに基づき、眼鏡を道具として捉え、その全てのパーツを徹底的に吟味することで生まれたブランドです

たとえば眼鏡に用いられているネジ、これは何年も変わっていないパーツのひとつですが、ここに焦点をあてることから10 eyavanというブランドは始まりました。

10 eyevanでは、プラスでもマイナスでもないトルクスという特殊な形のネジが使われています。このネジで締めると少しの力でしっかりと締まってしかも緩みにくいんですね。そんな特殊なネジを、加工が非常に困難なβチタンを用いてオリジナルで作っています。

No.6 -47 77,000円(10 eyevan)

このように、ネジだけでなくあらゆるパーツが徹底的に吟味されています。そのようにしてデザインされた10 eyevanの眼鏡は、眼鏡としての美しさと道具としての機能性を高い次元で両立しています

— EYEVAN 7285と10 eyevanは、いずれも細かい部分にこだわったブランドですね。

EYEVANのデザイナーは、それこそ元々ネジの業界の経験もある方で、とにかく何にでも詳しく、本当に細かい部分にまで徹底的にこだわります。

たとえば鼻パッドひとつの微妙な形にもすごくこだわっていますし、それを見ていると、他のブランドには絶対に真似できないなと感じます。

そういう意味で、ヴィンテージを超えられる可能性があるのはEYEVAN 7285と10 eyevanだと思っています。また、細かいパーツの精度の高さやかけ心地の良さなどは、ヴィンテージでは手の届かない、現行品ならではの魅力だと思います。この辺りはお客様にも積極的にご提案していきたいです。

牧野弘生

2011年 株式会社アイヴァンリテーリング入社
2012年 EYEVAN大阪ギャラリー&EYEVANバーニーズニューヨーク神戸店 店長
2016年 Oliver Peolples大阪 店長
2017年 EYEVAN 7285 Tokyo 店長 EYEVAN 7285 & 10 eyevanの数多くのFlagship・別注を手掛ける。
2023年 独立、AFTERをオープン

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