視力の矯正器具としての側面を持つ眼鏡は、洋服などと比べてもより耐久性のある素材と設計が求められます。10 eyevanで用いられてきたチタンも、そういった観点からは眼鏡にとって最適な素材の一つです。
一方でチタンのように耐久性のある素材は、経年変化を楽しむ余地が必ずしも多くありません。
単に視力の矯正器具であるだけでなく着用する人のスタイルを表現するためのアイテムでもある眼鏡において、どのようにして耐久性と経年変化のような手触り感を両立させるのかは、ブランドの思想が大きく現れる部分です。
10 eyevanの2025SSコレクションで発表されたFAT PLATINGコレクションは、これまでの10 eyevanの魅力はそのままに、さらに豊かな経年変化を楽しむためのコレクションです。レザーやリネン、またデニムと同じく、身体との身体との接触を通して生まれる変化を楽しめるよう、素材にはSilverが採用されています。
ただしそのアプローチはまさに10 eyevanならでは。眼鏡においてSilverを素材にする場合、Silver 925を用いてフレームを製作することがほとんどです。しかし10 eyevanでは、チタン製のフレームにSilver 1000の厚メッキを施すことで、フレームの耐久性を全く損なうことなく、SIlverならではの銀白色を最大限に表現する手法を選択しました。
10 eyevanの玉型の中でも、no1 no3 no5の3型でリリースされる今回のコレクション。リム線の裏のIOIO…の刻印の隙間が埋まったような仕上がりは、FAT PLATINGの厚みがよく分かるポイントです。
Silverは本来、非常に白っぽい独特の金属光沢を持っています。しかし世の中で一般的に用いられる際は、経年変化を軽減するために表面にパラジウムがメッキされていることがほとんどで、その本来の色を目にすることは決して多くありません。
FAT PLATINGコレクションでは、その独特の銀白色を最大限に楽しめるように純度100%のSilver 1000を使用しています。その結果生まれたのは、静かな世界観なのにきちんと個性的という独特の存在感。ゴールドカラーのフレームを身に着けるように、個性的なものとしてシルバーカラーを身に着けることができるような提案は、これまで眼鏡の世界できちんと表現されてこなかったものではないでしょうか。
Silver 1000の表面仕上げは3種類。純銀ならではの光沢感のあるSILVER-MIRROR、職人がヤスリを用いて微細なテクスチャを施したSILVER-SHARING、着用することで生まれる経年変化を忠実に再現したSILVER-SMOKEDがラインナップされています。
このうちSILVER-SMOKEDは塗装ではなく、実際に肌に触れて硫化したのと同じように加工しているため一本ずつ表情が違います。またいずれの表面仕上げも磨き直しや再メッキが可能で、いつまでも楽しんでいただくことができるようになっています。
10 eyevanのアイコンのひとつであるSilver 925製のエンドチップ。フレームがSilverのFAT PLATINGになったことで、より一体感のある仕上がりに。
さらに今回はSilver 1000だけでなく、オリジナルにブレンドした23.7金を使用したゴールドモデルもラインナップしています。特別にブレンドされた独特の色合いの23.7金は、10 eyevanの通常ラインでは採用されていないFAT PLATINGコレクション限定の仕様です。
23.7金のモデルはエンドチップもK18YG製、ゴールドカラーにこだわりたい方にとってはこれ以上ない組み合わせです。こちらも近日中の入荷を予定しています。
豊かなテクスチャや、着用することによって生まれる変化という世界観。それはこれまで10 eyevanでは、天然の貝を用いたシェルパッドやSIlver 925製のエンドチップを通して表現されていた部分でした。
このFAT PLATINGのコレクションでは、そういった世界観をフレーム全体を通してさらに大胆に表現しながら、なによりの10 eyevanらしさである精緻さやタフさといった特徴を全く損なっていません。眼鏡の世界ではこれまで見られなかった、全く新しい提案です。