Model 362, Icon for Today

Jun 3

デイヴィッド・ホックニー、ル・コルビュジェ、藤田嗣治。彼らに共通するのは、各ジャンルの巨匠として、アイコニックな眼鏡姿のポートレートで広く知られていることです。

そんなアイコンになるような眼鏡を、現代に生きる誰かのために全く新しく一から製作することはできないか。そのようなアプローチのもと生まれたModel 362は、非常にシンプルでありながら、かけた人の顔を作ってくれる一本です。

この眼鏡を特徴づけているのは、なによりもその玉型でしょう。クラウンパントのようでありながらボストンのようでもあり、左右を入れ替えた方がむしろ自然なようにさえ思える、非常に妙なバランスの玉型です。

しかし実際にかけてみると、非常に自然に馴染みながらその人の顔を作ってくれる、そんな不思議な眼鏡が入荷しています。

サングラスに使用されているのは、金属の粒子などを混ぜ合わせて一から調色し、溶解後に一枚ずつ成形して製作されるオリジナルのガラス製フラットレンズ。
このほかに、紫外線を浴びると透明からカラーに変化する調光レンズを別途オーダーいただくのもおすすめです。

特徴的な玉型が収まるフロントは、たっぷりとしたボリュームと丸みが感じられるようにデザインされています。

エッジが立つと印象が強くなりすぎるところを、しっかりと柔らかく仕上げられていることが、非常に顔馴染みがよい理由のひとつでしょう。ある意味ではハンドメイドのような、機械の存在を感じさせない生々しさがあるとも言えます。

さらにレンズがやや後ろにオフセットされていることで奥行きが生まれ、生地を極端に厚くせずともフロントの存在感を出すことができるような工夫もされています。

その他の装飾といえば、テンプルと蝶番をつなぐかしめの金具のみという仕様で、テンプルにさえも特段の装飾はありません。しかしこの拍子抜けするほどまでに潔いデザインは、なによりもこの眼鏡が玉型で勝負する一本であること、そして現代に生きる誰かのアイコンとなる一本を目指していることを、静かに物語っているのです。

7285のブランドネームがレーザーで刻印されたオリジナルの蝶番は、このモデルの中で数少ない装飾的な要素のひとつ。

かけた人の顔の印象をしっかりと作りながら、眼鏡だけが嫌な目立ち方をすることがない、まさにアイコンに相応しい一本がこのModel 362。眼鏡の歴史の中で考えられるデザインは全て出てしまったようにも思えるなか、何にも似ていないと言える完成度の高さです。

生地を極端に分厚くしてボリュームを出し、過剰な装飾を加えることで眼鏡の印象を強くすることは難しくありません。しかしそのような眼鏡が他に多くあるなか、本当に大事なのは、眼鏡にはそれをかける人がいるということではないでしょうか。

単に目を引くだけではなく、かけた人に自然に馴染み、そのキャラクターを引き出してくれる眼鏡こそがアイコンになるのだと思います。

EYEVAN 7285では初めてのアプローチとなる、現代を生きる誰かのアイコンとなるような一本。ぜひこのカラーの中から選んでいただきたいという思いから、AFTERではダークカラーのみからセレクトしています。どうぞ店頭でお試しください。