Ref.5700/Ref.5701は、ダイヤルのプリントがAir King DateかExplorer Dateかによって、同じレファレンスが異なる2つのモデルに振り分けられる、Rolexの中でも珍しいモデルです。
これらのモデルはAir King DateかExplorer Dateかにかかわらず、レファレンス自体がまず希少で、さらに比較的よく出てくるAir King Dateと比べるとExplorer Dateは格段に数が少なくなります。
新年の初めにご紹介するのは、そんなRef.5701 Explorer Date。通常のExplorerの人気の高さゆえ、Air Kingの派生系として北米向けにのみ生産された傍系のExplorerから、およそこれ以上はないのではないかというコンディションとディテールを持った一本です。
何よりも目を引くのは、ほとんど完璧と言っていいダイヤルのコンディション。みずみずしく吸い込まれるようなミラーダイヤルは、ミラー自体が滅多に出てこないExplorer Dateのダイヤルとしてはもちろん、ヴィンテージロレックス全般におけるミラーダイヤルとしてもトップクラスのもの。
夜光がきちんと残っていることも含めて、とても気持ちの良いダイヤルです。
Ref.5701はコンビモデルのため、ダイヤルのプリントや針・インデックスも同じくゴールド。ミラーダイヤルの黒と美しいコントラストです。Ref.5701にはシャンパン、シルバー、ブラックの3種のダイヤルが存在しますが、発売当時人気がなかったブラックは数が少なく、そのうち良いコンディションを保っているものは本当に稀です。
抜群のコンディションのミラーダイヤルだけでなく、その他にも満足度の高いディテールが数多くあります。
クサビ型のインデックスとアルファ針は、このレファレンスに限らずヴィンテージロレックスの仕様として嬉しいポイントだと思います。AFTERで取り扱う他のミラーがそうであるように、今回のRef. 5701 Explorer Dateもその例に漏れません。
ダイヤルの6時位置のシングルSWISSは、50年代後半から60年代初頭にのみ見られる仕様です。それ以降は夜光にトリチウムが使用されていることを示すため、SWISSと合わせてTの表記が義務付けられるようになります。
Ref.5700/Ref.5701に限ってはシングルSWISSの仕様がほとんどで必ずしも珍しいことではないのですが、いかにもヴィンテージロレックスらしいディテールを備えていること自体、Ref.5700/Ref.5701の魅力だと言えるのではないでしょうか。
さらにブレスレットは、ストレートエンドのリベットブレスがついています。当時のRolexでは、様々なサプライヤーが製造したブレスレットが使用されており、そのうちのひとつがC+Iです。
C+Iはアメリカのメーカーで、数あるアメリカ製のRolexのブレスレットで唯一、メーカー名の刻印が入っていることで知られています。U.S.A.の刻印に加えてメーカー名の刻印が入っていることで得られるある種の納得感は、コレクターであれば共感いただけるところだと思います。
僕が本当に好きな34mmというサイズに収まった、クラシックな仕様の数々。ベゼルも当時ならではの、より刻みの細かいものが装着されています。これもまたExplorerのバリエーションのひとつであるという事実を踏まえると、端正なドレス顔ながら、スポーツモデルとして着用するポテンシャルも同時に見えてくるのではないでしょうか。
今回ご紹介するRef. 5701 Explorer Dateは、何よりもまず圧倒的なミラーダイヤルを語らずにはいられない一本です。しかしそれだけでなく、ヴィンテージロレックスを楽しむ上での魅力的な仕様が他にも多く見られることこそ、実際に腕に着けて付き合っていく上で特に嬉しいことではないでしょうか。
ただでさえニッチなRef.5700/Ref.5701というレファレンスの中で、さらに数の少ないExplorer Date。それが抜群のミラーダイヤルに加えて、ヴィンテージロレックスらしい数々の仕様をもれなく備えたのがこの個体です。Ref.5700/Ref.5701の中ではトップの一本と言って、まず過言はありません。
新年は4日から営業しています。ぜひご来店の上、この息を飲む存在感を見てみてください。